イタリアの映画監督エットレ・スコーラの『ル・バル』(1984年作品)を見た。
とあるダンス・ホールを舞台に音楽のみで、セルフは一切なし。
戦前、一世風靡したフランス・シャンソンからアルゼンチン・タンゴ、キューバのルンバ、ドイツ・オペレッタ、ナチズムの悲劇の歌「リリー・マルレーン」、アメリカ進駐軍のジャズ・ソング「茶色い小瓶」、ブラジルの新しい粋、ボサ・ノーヴァ、アメリカン・ロックンロール、そして、ナイト・フィーバーのディスコ。
ダンス・ホールに流れる音楽はその時代を映し出し、社交場に行き交う男女の表情をも変えていく。
音楽が流れるところ、人が集い、経済が生まれる。
無秩序に交わされる男女の愛の語りも、時として、取り締まられ、秩序を重んじる男たちの抱擁の場に代わり、時として、自由を賛美させながら、麻薬のように異文化に溺れさせる。
無国籍の場と化したダンス・ホールはその時代の顔。
この映画が作られた後、世の中はラップ、ワールド・ミュージックと自由を謳歌する時代の後、9.11が起きた。
今、ダンス・ホールにはどんな音楽が流れているのだろうか?そして、どんな人たちが集っているのだろうか?
個室ビデオ、カプセルホテルからネット・カフェというそれまであり得なかった引きこもり文化が華開く時、人が集い、文化が生まれ、経済が活性化する歴史の流れは沈黙しているのじゃないだろうか。
人の交流が、物を生み、金を動かした。
- OhmyNews : 25年前の映画『ル・バル』で描かれた歌は世に連れ、今の時代は
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