オダジョーと北野武と並びアジアを代表すると評されるキム・ギドク監督との顔合わせによる『悲夢』。
過去を恋い慕う男が見た夢を過去を憎む女が実行する物語は韓国の古い街並みの残る場所を背景に描かれた胡蝶の夢はキム・ギドクワールドを見せてはくれるもののいつもの愛の泥縄にまでは行き着かない。
始めてスクリーンで見たオダジョーの演技は悪くないのに、その筋運びの荒さが終盤に行くほど、どうでもいいじゃんとなってしまう。
オダジョーが韓国人の中でひとり日本語を喋りすぎというのも気に障ったけれど、その分、イ・ナヨンがもだえ苦しむ女を演じてくれたので、救われた気もするし。
『春夏秋冬そして春』以降、見えない暴力にこだわり続けるキム・ギドクはここで過去のしがらみにさまよう夢遊病の女を助けようとする男の話として描くけども、空回りだった気もする。
しがらみにさまよう女たちというキム・ギドクワールドを見られたからいいといえばいいのだけれど、『サマリア』『弓』のような浮遊感を見たかった気もする。
同じ映画館で上映していたオダジョー、アジアンムービー『プラスティック・シティ』は次回見る事にしたけれども、どうも評判悪い。オダジョーの世界進出は遠くはないと思うけれど、まだ序盤戦なんだろうなぁ。キム・ギドクの『悪い男』のようなアバウトな映画を観てみたいけれども。
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