ネットで批判票が多く、前作「キャタピラー」もがっかりしたので期待せず観に行った。
左翼に先を越され、あせる三島の敵は官僚社会。
三島由紀夫の思想を単純明確に描いたこの映画はとても判りやすく、東大全共闘の席で「天皇のためならば共闘に加わる」と語り、自衛隊に「お前たちは違憲なんだ。憲法を守るサラリーマン化した軍隊になるな」と叫ぶ。
三島のあせりはおそらくこの通りだろう。そして、日本が天皇じゃなく金が神様になるリーマン時代が来る事自体が三島の怖れなんだろう。
しかし、遺族の圧力を恐れてなのだろう、三島の同性愛の部分は見事に削られ、盾の会同士とサウナに入る場面のみ何度も繰り返し描かれるのみ。
戦前回帰を願った三島が何故生き急いだか。それを国内向けに描いたのが本作なのだろう。
遺族の圧力で日本での上映禁止になっているポール・シュレイダーの「Mishima」と見比べてみるのも面白いと思う。
コスプレ、筋肉フェチの三島役をした井浦新は線の細さ故にミスキャストとは思うけど。
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