東京公開で話題になったと聞く「ボブ・マーリー ルーツ・オブ・レジェンド」
音楽は聴き親しんでいたボブ・マーリーの生涯を追ったこのドキュメンタリーはボブ・マーリーがどのような人だったか教えてくれる。
カリブ海の島国国家、ジャマイカで白人の父と黒人の母の子として生まれたボブ・マーリーはその半端な位置に苦悩する子供時代を過ごし、音楽の才能で世に出るも中間マージンの搾取に苦労する。
報われない島国国家の因縁に国際デビューでけりをつけ、政治をも脅かす大衆支持の音楽の神様になったボブ・マーリーはジャマイカの二大勢力の抗争に巻き込まれもするし、ジンバブエの独立コンサートで利用もされる。
ボブ・マーリーが生涯歌い続けた「ワン・ラヴ」それはゲットーと山手をひとつにしたいという願い。
人権擁護が叫ばれた時代、ボブ・マーリーの疾走はまばゆいばかりに美しく、神とあがめられる由縁もよく判った。
自分の利益にもならないのに著作権が大手を振り、支持される時代、この映画のラストで語られる死期近いボブ・マーリーの周りに関係者が遺産目当てに群がってきた話がやけにリアルで、「ワン・ラヴ」は幻想となるのだろう。貧困格差から世界恐慌へと向かう時代に。
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