岩井俊二8年ぶりの新作で、全編外国で撮影され、英語が語られる映画「ヴァンパイア」は自殺志願でなかなかうまく死ねない女の子たちの願いを叶えつつ、生き血を飲むヴァンパイアの若者の物語。
そのヴァンパイアの若者のポリシーとかが描かれていく物語中盤はなかなか面白く、日本人岩井俊二ぽいこだわりのように感じた。
血液は人間の体重の8%にあたり、そのうち3分の1が出血すると人は死ぬ。
論理的でありながらも押さえきれない性(さが)と嫌悪するモラルを持ちつつ、更に死にそびれた女の子を救おうとまでするそんなヴァンパイアを英語圏の人はどう見るのか気に掛かる。
主役を務めた『トランスアメリカ』のケビン・ゼガーズの身のこなしなんかも日本人ぽかったし。
「君の夢で叶わなかったことが僕の夢で叶う」揺れ動くヴァンパイア青年はそこに自分の性(さが)の正当性を見出していたのかも知れない。
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