2009年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品でセザール賞9部門の受賞作ながら日本ではあまり評判にならずに公開を終えた作品。見逃していたのが名画座で上映されていたので観に行った。
フランスお得意のフィルム・ノワール。獄中もので、アラブ人の青年がマフィアの紛争に巻き込まれ、成長していくお話。
凄い凄いという評判に期待し、150分の長尺に挑んだけど、確かに話の展開はスピーディで飽きさせず見せるけど、凄いという程にも感じなかった。
始めて殺した相手が何度となく現れる幻想に戸惑いつつ、預言者と言われるほどに予知能力を身につけた主人公がギャングとしての力量をつけていく物語は説明口調にならない分、観る側のイマジネーションに任され、入り組んだ人間関係も一度観ただけでは判りにくい部分もある。
マフィアの発祥地コルシカのマフィアに対立するイタリア人、アラブ人、それらが獄中で語られ、遠隔操作で街中の抗争が始まる。
ラストに流れる「マック・ザ・ナイフ」は格差社会の人殺しソング。裏権力の確立こそフィルム・ノワールだよな。
この頃また傑作を作り出していると聞くフィルム・ノワールの作品群も観てみたいな。
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