人は自然に自分の身体が悲鳴を上げる前に、怠けたり、さぼったりしてリセットスイッチを入れているのかも知れない。そのタイミングをなくした時、体の変調が現れるんじゃないんだろうか。
休みの昨日もそんな感じで、観たい映画を見に行こうと出かけたけど、地下鉄で街に出たら、映画上映まで後数分。急げば頭欠けながら観られただろうけど、気乗りせず、何となく頭の中もモワーンとしていたので、職場の所長が以前教えてくれた「めまいクリニック」にかかってみようかと、再度地下鉄に引き返す。
職場の所長が教えてくれた「めまいクリニック」をネットで検索した時に引っかかった病院が教えてくれた病院なのかどうかあやふやだったけど、そのサイトを観た時、何となく受診してみたいなぁと思っていたので、記憶を頼りにその病院があると思われる近くの地下鉄駅に降り立つけれども、それらしい建物はなかった。
携帯モバイルで検索してみると一駅手前にその病院はあるようで、この時期としては風が冷たいながらも晴れ上がった天気でもあり、歩いてその病院を探してみる。
耳鼻咽喉科をメインとするその病院は地下鉄駅のすぐそばのビルに入っており、看板を見るとちょうど昼休みの時間、適当に時間を潰すには何もない街並みなので、中に入ってみると、受付の看護婦さんが控えており、すぐに受付をしてくれ、病状を記す問診票の記入が終わると診察室に案内される。
古びた一室ではあるけれども、精密機器が揃えられた診察室で、ここの院長先生が応対してくれ、問診票に沿って、耳や鼻を調べ、小型カメラで捉えた耳や鼻の内部映像を見せてくれる。
耳には髪の毛が一本紛れ込んでおり、鼻は鼻炎で腫れ上がっている。そんな状況を教えてくれた後、鼓膜の感度、身体のバランス具合をそれぞれ調べると、この病院のお勧めメニューである電気療法を受ける事になる。
耳鳴りやめまいが専門分野の院長先生だけあって、例えば耳には髪の毛が一本紛れ込んでいたら、どのようなケースが現れるかも知れないという話などをしてくれ、耳鳴りやめまいの発生原因を判りやすく教えてくれて、血の巡りの悪さがその諸原因を作り出すから、両側のこめかみに電極を貼り付け、微電流を流し、一時間ほど診察室の奥に備え付けられたベット付きの個室で点滴を受けて休むだけの電気療法は悪さをしている患部を治す西洋医学というより鍼、灸の東洋医学のような感じがする。
点滴を受けている最中、他の点滴を終えた患者さんと雑談する院長はジョーク混じりに病気がなんであるか判りやすく教えてくれる。例えば。
「この頃、お腹が張ってきて。」
「妊娠したのかも知れない。妊娠しなくなると女性の下腹部は締まりがなくなるから、女性ホルモンをバンバン打つと下腹部はしまってくる。けれども、乳癌になるかも知れない」
「音の高い耳鳴りが気になって。」
「歳とともに聞こえる音って変わってきて、若い時は高いキーンとした音が聞こえやすいけど、歳を取るとそれが低い籠もった音に変わってくる。高い音が聞こえるのは身体と耳の感度のバランスにずれが生じているから聞こえるんですよ。」
そんな会話を耳にするうちにいつの間にか寝入ったのか、看護婦さんに起こされ、院長先生に具合を聞かれた時には頭病みも治っていた。
肩凝り、腰痛が首筋の血流を悪くさせているとの事で、いつでも点滴を打ちに来て下さいとのお話。
もしかしたら、更年期なのかなと帰り道思うのだけれども。。。