ロバート・ゼメキス監督久々の新作。
テロの時代の始まりを告げたあの9.11で破壊されたワールドトレードセンター。その二つのタワーの屋上を完成間近の1974年8月7日、綱渡る男にスポットを当てたこの映画、主役は何故か、二つのタワーを眺め見る自由の女神の屋上でナレーションする。
この男が綱渡りを志すようになったきっかけから始まり、フランス生まれのこの青年がワールドトレードセンターに憧れ、入念に「クーデター」の計画を練っていく。
どこかで見覚えあるなと思ったジョセフ・ゴードン=レビットがウィットに富んだ演技で魅了し、様々な人を巻き込む「クーデター」の計画が犯罪映画ぽくて面白く、移民の国アメリカで作られるワールドトレードセンターの労働者達を自然に見せていく。
実際には高層のビルの上、風速だとか神経を使うことが沢山あったと思うけど、映画は始終人間関係に拘り続け、この世紀の犯罪を褒め称える。
観たのは2Dだったけど、高層のビルの上から見下ろす映像を3Dで観るのは面白そうに思えるけど、綱渡りの場面がはめ込みと判る画像処理の甘さは少し気になった。
移民の国アメリカに作られたワールドトレードセンター。そのオープニングがフランス人の綱渡りに始まり、9.11でテロのシンボルになる。なんと皮肉な米国史。考えてみりゃアメリカ人ってこの世にいないんだよね。みんな移民で生まれた国なんだから。いろんな星が集まった移民の国旗よ永遠なれ!